話題のバンクシーの新WTCのメッタ斬り。よく読んだらNYへの愛に溢れていることに気付いた件。

以前、こちらのブログでも取り上げた、覆面アーティスト「バンクシー」によるニューヨークの街をアートでジャックするこの企画。

「ブルームバーグ市長もプッツン!?覆面アーティスト“バンクシー”がNYの街中で大暴れ。」

ニューヨークの街のどこかで、個人宅の壁面にアートを施したり、ぬいぐるみを家畜のようにトラックで運んだり、バンクシーの絵を露店で売ってみたりと、表現方法も多岐にわたるバンクシーさんですが、
10月27日に公式サイトにアップされた作品は、来年に完成予定の新ワールドトレードセンターに対する批判文章。しかもこの記事、一度はあの「ニューヨーク・タイムズ」編集部に寄稿したものの、断られたようで勝手にニューヨーク・タイムズの誌面を模しています。

この作品に対する世の中の反響は「バンクシーが完成間近の新ワールドトレードセンターについてディスってる!」「(バンクシーを批判した)ブルームバーグ市長に対する挑戦」というものが結構多かったのですが、tanimmyはこのバンクシーの批判記事を電車の中でスマホではたと読んだ時、なんだかすごく感動してしまって、車内でひとりうるうるしてしまったのです・・・(きもい)

記事の内容は要約すると「今のワールドトレードセンターは完成されすぎてて面白みのかけらもない。ニューヨークの魅力はそこじゃないだろう」っていうこと。
まだ工事中のワールドトレードセンターを批判されればムカってくるニューヨーカーも多いと思うのですが(しかも9.11以降の平和の象徴という見方も多い中で)、その批判の根底にはバンクシーのニューヨークへの愛情がひしひしと感じられるのです。

ニューヨークに集まる人、ニューヨークを愛する人が、揃って口にするのが「ニューヨークは挑戦する街だ」ってこと。
一昔前のニューヨークはもっと野蛮で挑戦的で荒削りだったと聞いた事があります。 今はニューヨークの地価もあがりお金持ちだけが住む街になり、チェルシーのギャラリーも成功した人だけのものになっていると。
ニューヨークはお金持ちの完成された街ではなく、挑戦者が挑む荒削りの街。そのスピリットが大事だろう、とバンクシーは言っているのです。

バンクシーって実はニューヨークがすごく好きなんだろうな。今回のニューヨークの街ジャック企画も、バンクシーのニューヨークへの愛情の裏返しなんじゃな
いかなって勝手に妄想。ニューヨークの街の人に、「今のニューヨークこれでいいのかよ!」ってメッセージを投げ続けてくれたんじゃないかと思います。

ということで最後になりましたが、このバンクシーの批判記事の和訳文をこちらのサイトで発見したので引用させていただきます。
ニューヨークホリックのみなさんは、この記事読んでどう思いますか??

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ニューヨークでもっとも目障りなのはグラフィティではなく、
グラウンドゼロに建設中のビル


“シャイスクレイパー”
ここ数週間ニューヨークに滞在している旅行者として、ひとつはっきりしたことがある。この街の味方として言わせてもらう──新しい世界貿易センターを何とかしようぜ。


あのビルは最悪だ。否。最悪なら面白い。ワン・ワールド・トレード・センターには面白味のかけらもない。まるでカナダに建っているような、ありきたりのビルだ。


9月11日のテロはわれわれ全員に対する攻撃であり、今後もわれわれはその脅威におびえて生きていくだろう。だが、その困難にどう向き合っていくかということも重要だ。そして、どんな向き合い方をしたか?


104階建てにすることで妥協?


ケタはずれに高い建物なのに、ワン・ワールド・トレード・センターには自信というものが欠如している。気骨もなくどうやって起立していられるのか? そもそも建てられたくなかったようにすら見えてしまう。


パーティで背の高い男子が、なるべく目立たないように気まずそうにしている姿を思い起こさせる。恥ずかしがり屋な高層ビル(シャイスクレイパー)なんて初めて見た。


ワン・ワールド・トレード・センターは、9月11日に命を落とした人々に対する裏切りだと容易に考えられる。なぜなら、あまりに明確にテロリスト側の勝利を示しているからだ。10人のハイジャック犯たちが攻撃した世界よりも、さらに冴えない凡庸な世界をわれわれは創ろうとしている。新しい魅力的な世界を創るには至らずに。


誰もニューヨークに礼儀正しさや常識など求めていない。ニューヨークに惹かれるのは、この街に勇ましいスピリットがあるからだ。それがワン・ワールド・トレード・センターには全くない。あのビルの代わりに目を向けるべきは、この街の建物の屋根だ。危険と隣り合わせでローラーペイントされた名前やスローガンが、建物の輪郭をツタのように這っている。

これこそがニューヨークの真なる文化遺産だ。勇敢な者たちに場所を与えることで、この街は名を馳せてきた。



ワン・ワールド・トレード・センターは、「ニューヨークの栄光の日々は終わった」と宣言しているようなものだ。今すぐにでも、このビルの正面に、もっとましなビルを建てる必要がある。あるいは、より良い方法は、ペイントローラーを持ったキッズたちに仕上げを任せることだ。なぜなら、今、建設中なのは、“ニューヨークは、おじけづいちまった”と書かれた1000フィートの高さの看板も同然だから。

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